和歌山白浜サンゴマップ


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サンゴマップ(白浜サンゴマップ)






サンゴマップ制作プロジェクト 


白浜サンゴマップ」制作


  
○経緯   
  
サンゴ域は、「海の熱帯雨林」とよばれるほど豊かな「生物の多様性」を持っており、海洋環境に重要な役割を果たしています。近年わが国におけるサンゴ群集は、白化現象、サンゴを食するオニヒトデや巻貝の大量発生、人の諸活動による水質・底質の悪化など様々な危機にさらされています。和歌山県沿岸に生息するサンゴ群集も例外ではありません。

 高緯度のサンゴ群集として名だたる和歌山県串本町沿岸(ラムサール条約登録地)や、沖縄のサンゴ礁では、環境省委託事業等による様々な保全活動の取り組みがなされてきましたが、和歌山県沿岸域のうち串本を除く高緯度(例えば、白浜・田辺・みなべなど)に生息するサンゴ群集に関して何ら取り組みがなされていません。

 当会では、『沖ノ島』(和歌山県田辺市・みなべ町・白浜の沖約3kmに位置)、及び、『四双島(シソウジマ)』(和歌山県白浜町の沖約1kmに位置)に生息するサンゴ群集は串本に匹敵することに注目してきました。 この『沖ノ島』、『四双島』とその周辺海域は、サンゴが密集して生息しており、イセエビや温帯系の魚種も多く、さらにサンゴ群集を餌場や住居とする熱帯系の魚も多く生息し、ダイバーやスノーケラー、海水浴客、釣り客などマリンレジャーを楽しむ重要な海域となっています。 

 ここでも、他のサンゴ海域同様、サンゴを食する巻貝やオニヒトデの発生などの問題を抱えています。 しかしながら、サンゴ群集の分布や被害実態の把握はされておらず、サンゴ群集の基礎調査、被害調査、オニヒトデやサンゴを食する巻貝の駆除対策など具体的、効果的な対策が急務と考えます。

 2006年頃より白浜『四双島』とその周辺海域にオニヒトデが目撃されるようになり、2008年に入って異常発生とも考えられる数のオニヒトデが確認されました。

 白浜町は温泉地として有名であり、国内でも有数のマリンレジャーの拠点となっており、2007年の総観光客数は3336千人、その内マリンレジャーを目的に訪れる観光客は704千人にも及びます。これだけ多くの観光客が利用し楽しむサンゴ群集に対してなんら対策を講じずこのまま放置しておくと、長い年月をかけて育ったサンゴ群集を短期間で失う可能性があります。

 当会は2009年6月より本格的に『四双島』におけるオニヒトデの食害状況を調査開始しました。その結果、『四双島』周辺のサンゴ群集はオニヒトデの異常発生が確認され、このまま何も対策を講じず放置しておくと2〜3年後には全滅に近く激減すると推測しました。さらに『四双島』より北3kmに位置する『沖ノ島』においても同様のオニヒトデによる食害増加の傾向が見受けられ、過去の事例・経験から推測するに、数年後には現在の『四双島』と同様な状況になる可能性があると危惧します。

 これら高緯度のサンゴ群集は、和歌山県の重要な資源であり、人類共通の財産である「生物の多様性」の際たるものであることを認識し、これらがもたらす恵沢を将来にわたり享受できるよう次の世代に引き継いでいくことが、我々国民に託された重要な課題であり責務と考えます。 

 2009年4月より20ヶ月間の保全により『四双島』最重要区域のオニヒトデは、最盛期の1ヘクタール531個から、その6分の1である87個まで減少し生息数調整(駆除)の効果は確認できたましたが、その後も生息域を広げています。

 今後も注意深くサンゴ群の調査を実施し保全活動を継続する必要があると考えます。

 
○サンゴ群集の価値とは?   
 
・海中の熱帯雨林と称され生物多様性が高い

・魚や水中生物の住み家・エサを提供する

・海洋生物25%、魚類33%がサンゴ礁に関って生きている

・サンゴ礁は全世界の海底総面積の0.2%、海洋生物への影響が大きい

・観光資源(サンゴ礁の海)として、全世界の働き口の10%を支えている

・サンゴ礁は海岸線の防波堤を担っている

・医学的に有効な化学物質を産出する可能性が高い
  藻類→ガン治療薬、 イモ貝類→鎮痛剤
  新薬発見の可能性→陸上生態系の400倍

・海水中へのCO2取り込みは38兆トン(大気中CO2の52倍)

・サンゴ褐虫藻→光合成(CO2取込)→サンゴ骨格(石灰化)
海中生態系バランスが崩れると海中へのCO2取り込みに異変が起こる可能性


 
○和歌山県「田辺・白浜・みなべ」沿岸域の
サンゴ群集の特徴と評価とは?
   
 
・世界の最北限のサンゴ群集と言われる串本(ラムサール条約登録)より、 さらに北西50kmに位置している

・サンゴは高い密度で広範囲に生息し、サンゴの種類も多い

・未だ未調査のサンゴ群集が数多く存在する

・地域の漁師さんや一部のダイバーにしか知られていない

被度別サンゴ群集面積(県別本土海域)

第4回自然環境保全基礎調査(1994年3月環境庁発表)より引用  単位:ha
 1994年データ↓  100%〜75%  75%〜50%
 静岡県  0.5  0
 高知県  11.9  12.1
 愛媛県  0 62.2 
 大分県  0 51.5 
 宮崎県  0  14.6
 鹿児島県  0  2.5
和歌山県   16.8 40.1 
沖ノ島サンゴ群集
2004〜05年当会の調査
で初めて明らかになった
面積+2010年暫定調査補正
(未だ未調査域多く残る)
3
 四双島サンゴ群集
2010年当会の暫定的な調査
初めて明らかになった面積
 0
 ※沖ノ島及び四双島サンゴ群集は
    第4回自然環境保全基礎調査(1994年3月環境庁発表)では調査されていない 



和歌山県市町村別サンゴ平均被覆度
平成22年度和歌山県サンゴ分布状況調査報告書 
2010年12月 串本海中公園センター発表データより引用


 みなべ  田辺  白浜  すさみ  串本
 サンゴ
被覆度%
 7.4  26.0 3.9   0.6  25.4




 和歌山県サンゴ群集の評価(抜粋)

平成22年度和歌山県サンゴ分布状況調査報告書 
2010年12月 串本海中公園センター発表データより引用


   田辺
沖ノ島
 白浜
四双島
 串本
双島
 総合評価
 陸上景観
 海中景観
サンゴ類 
 無脊椎動物
海藻類 
魚類
6項目平均点 2.7 2.5 2.8
重要な特性  
       
 △: あまり優れていない、もしくはあまり重要でない  1点
 ○: やや優れている、もしくはやや重要  2点
 ◎: 特に優れている、もしくは特に重要  3点



 
○なぜ、今、サンゴ群集の保全が必要なのか? 
 
□全世界では、(科学者は警鐘を鳴らす)
・サンゴ礁の半分が重大な危機 →今後40年で消滅の可能性
・今後25年以内 →世界のサンゴ礁の半分以上はなくなる可能性

□沖縄では、
・1998年:海水温上昇(30℃以上)よりサンゴの白化
   →本島壊滅状態 →オニヒトデ大発生・巻貝食害 
・06年ホワイトシンドローム →07年サンゴの白化 →08年オニヒトデ歴史的大発生
現在まで、海水温上昇、オニヒトデ異常発生が繰り返えされる

□和歌山県「串本」では、
・98年巻貝食害よりサンゴ壊滅の危惧 →駆除活動→継続中 
・04年秋オニヒトデ大発生→駆除活動効果あり→今でも駆除継続中

□和歌山県「田辺・白浜・みなべ」では、
・08年白浜四双島にオニヒトデ大発生
  →09〜11年当会の駆除活動によりある程度沈静化(効果あり)→現在、被害は徐々に拡大中

 
  ○サンゴ群集を教育の場に活用
 (サンゴ調査、白浜サンゴマップ制作)
 
 
□サンゴ調査の体験学習
  ・2007年試行 →10年試行 →11年実習スタート
  ・「実習」を伴う「課題解決型学習の提案と機会提供」
  ・「考える力」と「チームワーク」を育む
   〜和歌山大学の教養科目として実践 2012〜2016年

  ・具体的成果物 →「
白浜サンゴマップ

   ※白浜サンゴマップ完成しました。


 

 









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